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片隅抄

2024.04.23

 水戸藩2代藩主・水戸光圀侯の名を聞き、天下の副将軍、「この紋所が目に入らぬか」のフレーズを思い出すのは40より上の世代か。名優西村晃の黄門様が思い浮かぶ▼それより下の世代は、歴史で学ぶ「大日本史」の編さん者として覚えている方が多いのでは。子どもら世代に印籠が、と言ってもピンと来ないのは仕方ない▼紛失したと思われていた、平五小の郷土誌が見つかった。詳細は20日付に譲るが、編さんの背景が興味深い。第一章の沿革に目を通すと、日本書紀の神武紀元で時が進む。客観性が求められる地域史の資料になるかというと、そうとは限らない▼郷土誌も参考にいわき市史を再度検証してはどうか、との声を聞いた。最終巻の発刊から30年。近世までの新説を交え、記載が足りないとの指摘もある近現代を見直すには賛成だが、労力を考えると途方に暮れる。別冊で補完するのが最善と考えるが、誰が編さんするか。大日本史の凄まじさを実感する。

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