今年ももうすぐ夏休みが始まる。夏休みといえば小学生のころは「昆虫採集」が付きものだった▼トンボやチョウ、セミ、カブトムシなどを捕まえ、標本にして先生に提出した。早朝、運よくチョウが羽化したり、セミが脱皮するシーンに遭遇し、小さな生命の神秘に感動したものだった▼昆虫にとっては災難だが、子どものときに昆虫と身近に接するというのは大事なことだと思う。昆虫だけでなく、動物や鳥、魚などの生きものを大事にする、そしてそれらの生きものを取り巻く自然を愛し、大切にしようという気持ちが育まれるというものだ▼東京の国立科学博物館では13日から特別展「昆虫MANIAC」が始まった。ほかの博物館や美術館でも「昆虫ワールド」「虫展」などが開かれている。近くでは須賀川市にムシテックワールド、常葉町にはカブトムシ王国があって、子どもの好奇心を煽ってくれる。いわきはどうか。子どもたちに親しまれる施設が必要では。
片隅抄