うんざりする暑さが続いたと思えば、今朝から強い雨にたたられた。さて雨宿りした居酒屋で見た武士の所作から、役柄のイメージを膨らませ、一世一代の芸を確立した中村仲蔵。歌舞伎、落語の世界では出世ものとして古くから演じられている▼デジタル技術が進み、古い映像が修復され、高画質で再生されている。最近では落語界のレジェンド古今亭志ん生がカラー化され、NHKで放送された。その後も今は亡き志ん朝、立川談志の両師匠らを鮮明な姿で見ることが出来る▼いわきも落語会が盛んであり、アリオスでの独演会もおなじみ。小ぶりながらも継続しているものに、いわき芸能倶楽部主催の「月見寄席」がある。これまでアマチュア会員が主体だったが、プロの出演も増えている▼その寄席が13、14日に平第26区集会場で催され、ゲストに女流落語家林家きよ彦さんを迎える。磨き抜かれた話芸を堪能したあと、懇親会で見られる素顔も楽しみの一つ。
片隅抄