来年、阪神・淡路大震災から30年の節目を迎える。兵庫県では特設サイトを開き、防災講座、交流大会など〝震災の教訓をともに未来に繋ぐ〟事業を展開。若者たちの取り組みを振り返るアーカイブも公開された▼「忘れない」「伝える」「活かす」「備える」に〝繋ぐ〟が基本コンセプト。来たる災害にどう備えるか、繋ぐには震災の経験と教訓を世代や地域を超え、広く継承・共有していくという意味が込められた▼その神戸を舞台に、繋ぐを題材とした映画「港に灯がともる」が1月17日に公開される。主演を務めるのは、いわき市出身の富田望生さん。富田さんは震災を知らない世代の主人公を演じるため、自身の被災経験を〝忘れる〟ことから始めた。知る世代だけに、役づくりに苦労したという▼東日本大震災からもうじき14年。映画では東北の知らない世代が将来抱えるだろう、様々な苦悩が描かれた。神戸が歩んできた道のりから学ぶべきことは、実に多い。