朝の習慣で見るテレビは年代によって変わっているが、学生時代は8にチャンネルを合わせていた。歯に衣着せぬ発言は時に物議をかもしたが、軽快なトークがおもしろかった。フリーアナウンサーの小倉智昭さんが9日に亡くなった▼がんでぼうこうを摘出した小倉さんは生前、男性トイレにもサニタリーボックス(汚物入れ)を置くよう声を上げた。使い終わった尿漏れパッドが捨てられるようにと訴えると、願いは全国に広がった▼いわき市では2022(令和4)年6月、市議会の一般質問で取り上げられると、さっそく市役所本庁舎の多目的トイレに導入され、いまでは市内の公共施設に広がっている。市では民間施設にも設置の協力を呼びかけている▼〝下〟の話はイメージが悪くなると指摘する関係者もいたそうだが、小倉さんは積極的に闘病体験を発信した。人生100年時代、いつ当事者になるかは分からない。伝え続けた思いを大切にしていきたい。