気候がいい春と秋、もしくは空調のきいた屋内のアリーナで実施されればいいのだが、今年も長期の夏休み中に開かれる甲子園の高校野球やインターハイ、全中などが始まる▼救急搬送される事態があってはならないが、脱水症状から足がつって試合が中断されるケースはよくある。見てるだけでも辛いのに、選手は「練習はもっと過酷なんですよ」と嘯くのである▼年配の元部員が昭和を振り返るとき、必ず出てくるのが「練習中に水を飲むな」だ。部の決まりだとか飲むと疲れるからという愚にもつかない理由や、我慢する=強い精神力の根性論がそこにある。外野の草むらや倉庫の裏に水筒を隠して飲めればいいが、トイレや田んぼ、川の水を飲んだなどという証言は笑えない▼選手はもちろんだが、応援に駆けつける控え部員や吹奏楽部、チアリーダー、保護者たちにも同じ日差しが照り付ける。雨に濡れることもある。無駄な我慢は精神論ではない。ご自愛なされ。