今年も12月8日の「開戦の日」がやってくる。1941年日本軍はハワイ真珠湾を奇襲攻撃し、米英との戦争に突入した。3年8カ月に及ぶ戦いの末、日本の無条件降伏によって戦争が終結した▼今年は終戦から80年の節目の年。戦争体験者は減少し、遺族も高齢化し、記憶や教訓を語り継ぐことが難しくなりつつある。だからというわけではないが、物価高騰に苦しむ国民生活を横目に、高市政権は防衛費を増額、ここにきて非核三原則のうち、持ち込ませずを変える動きまで出てきた▼のど元過ぎれば熱さを忘れる―の言葉があるが、政権が変わるたびに戦争へと向かう足音が大きく聞こえるのは、抄子の気のせいか。今も世界中で戦争や紛争が起きている。高市総理は台湾有事に際し、存立危機事態もあり得ると発言し、中国との関係が急速に悪化している▼3年年前、93歳で亡くなった母親の言葉がよみがえる。「戦争は嫌だ、絶対に戦争をしてはだめだ」と。