歴史学者の磯田道史氏が様々な『歴史の現場』をめぐるBS番組を欠かさず見ている▼膨大な知識に舌を巻き、世に出ていない古文書を自ら探し読み解くことで定説に鋭くメスを入れる、その新鮮な視点が刺激的だ。築城名人として知られる戦国武将加藤清正が関わったと『されていた』名古屋城の清正石もそう。逸話とはつゆ知らず、知識がブラッシュアップされていなかった▼先日、今年に入り発表され、話題となった勿来の関公園の城館遺跡「関田関山城跡」に足を運んだ。実際に傾斜の大きい山道を歩き、写真や資料では決して感じられない、同所に城を構える地勢的な意義を知る。仕事もそうだが、やはり現場に足を運ばなければ分からないことは多い▼いわき地方には230~240ほどの城跡があるが、そのほとんどは調査が不十分なまま。城好き、愛好家にとっては伸びしろだらけの未開拓地だ。それらの現場を今後どう掘り返していくのか興味は尽きない。