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きょう東日本大震災から12年 求められる記憶の伝承 続く原発事故の影響

 東日本大震災の発生から、11日で12年を迎えた。平成23(2011)年3月11日午後2時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード(M)9・0の大地震が起きた。
 いわき市では最大震度6弱を観測(気象庁の推計震度分布図によると、市内の一部では震度7の揺れが確認されている)し、468人(直接死293人・関連死138人・死亡認定された行方不明者37人)の尊い命が犠牲となった。
 津波の被害を受けた沿岸部の整備は進んだことから、震災を知らない世代が増えていく中で、今後は記憶を伝承していくことが、より一層求められている。
 東京電力福島第一原発事故の影響は、いまだ現在進行中だ。福島第一原発の構内で生じる汚染水を巡り、浄化した上で海洋放出する計画が、今年の春から夏ごろに予定されている。
 いわき市をはじめ漁業者からの反対は根強い。県内の昨年1年間の沿岸漁業の水揚げは、5525トン・約34億9700万円と、震災以降最も多い記録となった。原発処理水の海洋放出によって、この流れに水を差されると懸念の声が聞かれる。
 県漁業協同組合連合会(県漁連)の野﨑哲会長も反対の姿勢を貫くが、「廃炉が確実に進むことが重要だ。漁業と廃炉を切り離せたら、どんなに楽か」と苦しい胸の内を明かしている。
 原発事故によって、いわき市で避難生活を続ける双葉郡の住民らの将来も、考えなければならない課題だ。古里で生活を再開できるよう、受け入れ自治体としては、最後まで共に手を携える必要がある。いまだに1万7292人が住民票を異動せずに、市内で生活を送っている。
 <薄磯海岸で市内僧侶有志が法要 13回忌に合わせて>
 震災から12年の節目に合わせ、いわき市の浄土宗僧侶有志が11日、平・薄磯海岸で法要を取り行った。薄磯地区は高さ8・51mの津波に襲われ、市内でも最も多い122人が亡くなっている。
 法要は震災犠牲者の追悼と、薄磯地区の発展を願った取り組みで、菩提院(平字古鍛冶町)の副住職・霜村真康さん(47)が呼びかけし、7回忌に続いて、13回忌に合わせて企画された。
 霜村さんらが海に向かって読経を行った後、磐城じゃんがら遊撃隊が郷土芸能・じゃんがら念仏踊りを披露した。
 また菩提院を開山した袋中上人(1552~1639)が、琉球(現・沖縄県)で布教した縁から、東京・中野新道エイサーによる演舞も繰り広げられた。

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