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生誕120年 詩歌碑で草野心平に迫る企画展 2日から勿来関文学歴史館で

 1903(明治36)年5月12日、石城郡上小川村(現小川町上小川)に生を受けた詩人・草野心平の生誕120周年を記念した企画展「草野心平書の詩歌碑―石に刻まれた心平の書―」が2日、勿来町関田の市勿来関文学歴史館で始まる。
 心平は生涯1400篇余の詩を残したが、表現力豊かな書・画も存在感を放っている。全国各地の校歌の作詞も手掛け、いわき市などにも心平揮ごうの詩歌碑をはじめ、校歌碑などが点在する中、今展ではこのうち8点に注目して拓本を採取。市立草野心平記念文学館の協力を得て、借り受けた直筆の日記など貴重な資料とともに、心平の業績や人となりに迫る。10月29日まで。
 詩歌碑は自身の詩に限らず、親交を重ねた詩人三野混沌(本名・吉野義也)の没後建立された詩碑、母校・小川小の創設百年記念碑、白水阿弥陀堂を建立したとされる〝徳尼御前〟徳姫の伝承が残る尼子橋の句碑、湯本温泉神社の参道に建つ平安時代中期の勅撰集「拾遺和歌集」・あかずしての歌碑など多岐にわたる。
 今展に向けて資料を収集する中、1893(明治26)年創業の春木屋旅館(常磐白鳥町)に残る歌碑を調査したところ、新たな逸話が明らかに。常磐市立磐崎中(現・磐崎中)校歌の作詞を依頼され、湯治場の同旅館に一時逗留した際、心平は「ぜい沢な食べ物は好まず、つけ物をつまみに日本酒を飲んでいた」ことが分かった。
 先代からの些細な口伝だが、酒豪としても知られる心平の人となりがうかがえる貴重なエピソードだ。学校関係者と一緒に旅館の前で撮影した写真も現存しており、学芸員の渡辺千香さん(48)は「詩歌碑を間近で見る機会はなかなかないし、一般の方が入れない場合もある。意外な発見があるので、この機会に迫力ある書に触れ、魅力ある心平の人となりを感じてほしい」と話している。
 会期中9月10日と10月8日には、渡辺さんのギャラリートークも開催予定。両日午後2時から30分ほど。開館時間は午前9時~午後5時。休館日は毎月第3水曜。

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