鈴木淳司総務相は4日、就任後初めていわき市を訪問し、台風13号に関連した記録的大雨で被害を受けた現場を視察したほか、いわき市の水産物ブランド・常磐ものに理解を深めた。
鈴木氏は、9月13日に発足した第2次岸田再改造内閣で初入閣し、最初の国内出張として、3日から県内入りした。同日には福島市の県庁で内堀知事と会談し、政府として、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興に加え、豪雨被災からの復旧に尽力する方針を伝えた。
いわき市では初めに、常磐藤原町の藤原川が決壊した箇所を訪れた。吉田伸明県いわき建設事務所長から、大雨が降った当時の様子や、大型土のうによる応急工事に関する説明を受けた。
続いて、市観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」に足を運んだ。内田市長から、市内の豪雨被災の状況が示されたほか、2階のライブいわきミュウじあむでは、いわき民報社の展示を含む震災から復興してきた歩みや、常磐もののパネルを見学した。同センターでは、昼食の時間も設けた。鈴木氏は小名浜港で水揚げされたメヒカリの唐揚げ、ホウボウ、タイの刺し身などに舌鼓を打った。
一連の視察後に報道陣の取材に応じ、「いわき市には普通交付税の繰り上げを行っているが、必要に応じて特別交付税も考えていきたい。省を挙げて、関係機関とも連携して支援していく。今後も現場主義を徹底して、一日も早い被災地の復旧に力を尽くしたい」と語った。
福島第一原発で発生する処理水の海洋放出を巡り、5日から2回目が予定されている件に対しては、「1回目を終え、世界的にも安心感を頂いている。常磐ものには全国から応援の声が寄せられており、変な風評に負けないよう、引き続き対応したい」と述べた。去り際には記者団に向かって、「常磐もの、おいしかった」と満面の笑みでアピールした。
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