市は25日、9月の台風13号に関連した記録的大雨に伴い、市議会10月臨時会(27日に開会予定)に対し、計74億5945万7千円の一般会計補正予算案を提出すると発表した。内田市長が25日、臨時記者会見で明らかにした。提出議案はこのほか、市石炭・化石館「ほるる」の竪坑櫓解体の工事請負契約など計4件。物損事故を巡る専決処分の報告1件もある。
市では現在も激甚災害の指定に向け、被害額の積み上げを図っており、県とも連携して国に交渉を続けている。指定を受けると、復旧費を巡る国費が引き上げられる。
一般会計補正予算の主な項目として、家屋の解体撤去に加え、災害廃棄物の収集運搬や処理には、16億5643万8千円を盛り込んでいる。
被災家屋の解体は、現状では全壊のみ国庫補助対象のため、大規模半壊以下の支援について、県を通じて国に要望している。市のまとめによると、豪雨による住家被害は計1729棟だが、全壊は11棟にとどまる。
被災者支援の取り組みのうち、住宅応急修理事業費には7億7644万円を計上した。災害救助法に基づき、被災した住宅の応急修理に要する費用の一部を負担する制度で、半壊以上(限度額70万6千円以内)は約1100件、準半壊(同34万3千円以内)は約20件が対象となると示された。
市営住宅など一時提供に当たっての修繕(計52戸)に1億2940万4千円、市独自に浸水家屋に床下消毒を施す事業(約1500棟)に2970万円としている。
事業者支援としては、被災企業等事業継続支援金に1345万円を充てている。中小企業等経営コスト削減支援事業費補助金(中小企業等)、事業再構築促進補助金に、市がかさ上げする。
それぞれ補助率は3分の2以内から6分の5以内と、2分の1以内から3分の2以内に、上限が100万円から120万円、200万円から220万円となる。対象は約80件と約20件を見込む。
農業等災害対策事業費補助金として、種子・種苗の購入やハウス等の施設復旧には、980万9千円を付けている。
他の自治体から技官の中長期派遣も予定しており、復旧を促進させていく。11月から受け入れする計画で、人件費等に2億5226万8千円としている。
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