内田市長は5日、新春記者会見を行い、「人づくり日本一」の実現を掲げる中で、防災や医療、教育などの各分野を巡って、5年後の数値目標(可能ならば前倒し)を公表し、昨年9月の台風13号に関連した豪雨を踏まえ、登録防災士の数を現在の258人から、2倍以上の600人とすると明らかにした。
教育に関しては、不登校に対する支援体制も強化し、いわき市の広域性を考慮して、チャレンジホームの改善充実も含め、今後3年間で8カ所に多様な学び場を設けていく。
新春記者会見の冒頭、内田市長は能登半島地震に対するお悔やみとお見舞いを伝え、職員・物資の派遣準備を済ませ、応援の要請があればすぐに行けると語った。各分野の取り組みのうち、防災面では9月豪雨を受けて、河川改良に加え、自主防災組織に防災士が2人以上所属できるようにし、共助力のさらなる向上を進めていく。
医療については5年後の目標に、人口10万人あたりの病院勤務医師数を120人(現状値98・5人)とし、さらに10年後には県平均値(2020年は140・4人)まで向上させる。引き続き研修医など若手医師の定着を図るとともに、市内高校からの医学部医学科進学を5年後までに20人(同7人)としている。この動きと並行し、県立の中高一貫校の整備も求めていく。
いわき市の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果は全国平均以下だが、教職員の質も高めながら、5年後の目標は「まずは全国平均以上、そして日本一へ」と明言した。
また行政DX(デジタルトランスフォーメーション)を進展させ、行政手続きのオンライン化率を5年後までに、実質100%を目指す。
東京電力福島第一原発で昨年8月から、処理水の海洋放出が開始された件では、全国各地から「常磐もの」が応援されている中で、ブランドを強化していく方針。首都圏の常磐ものの愛好家を、5年後までに80%(同33%)まで伸ばす。
内田市長はこれら考えを披露した上で、「現場主義に徹し、変革を一つひとつ積み上げ、すべての市民に対して『人づくり』が実現できるよう、今年は希望に満ちた未来に立ち昇る飛躍の年とする」と述べた。
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