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「刀剣文化後世に」保存協会いわき支部の磐崎中・松崎さん 熱心に活動中

 「一つ一つ異なる刃文の美しさが、何百年も前からいまに伝わっている」。刀剣の魅力を目を輝かせながら語るのは、磐崎中3年の松崎しえるさん(15)だ。昨春から日本美術刀剣保存協会いわき支部の若き会員として、年長者に交じりながら知識を深めてきた。
 市暮らしの伝承郷で開催中の「刀剣鑑賞展」(11日まで)でも会場に立ち、運営にも熱心に携わっている。将来は学芸員に就くと決めており、日本が誇る刀剣の文化を後世に残していきたいと話す。
 松崎さんは小学2年のころ、鶴ケ城(会津若松市)を訪れたことをきっかけに、歴史に興味を持ったという。甲冑や家紋にも関心を抱いた中で、父に誘われて昨年の鑑賞展に足を運んだことで、「一気に刀剣に〝目覚めた〟」と笑う。
 同協会いわき支部は70年以上の歴史を持ち、刀剣類の保存や公開、調査研究、鑑賞指導などを主な活動としている。また鹿島公民館で月1回、茶話会を開いており、会員同士の交流を図っている。松崎さんはその門をたたいた。
 ただ会員からは自分の娘や孫の世代とあって、少なからず戸惑いの声もあがった。しかし松崎さんのまっすぐな熱意にほだされ、入会することを認める。「一つ一つが感動の連続でした。そして私のような中学生を、快く迎え入れてくれたことに深く感謝しています」。学芸員の夢も応援してくれた。
 お気に入りの刀匠は、旧磐城平藩お抱えだった根本和泉守藤原国虎(1658~1713)。現在の平字鍛治町に住んでいたとされ、残された刀剣は市の有形文化財にも指定されている。「地元にもすばらしい刀を作った人がいることを、もっと多くの人に知ってほしい」と呼びかける。
 友人たちにも積極的に刀剣の良さを披露する。「歴史が不得意な友だちも多い。実際に見てもらうことで、苦手意識が払しょくできるのでは」と述べる。SNSでも発信してきた。どうしても会員は高齢化していくため、「若い世代が頑張らないといけない」と松崎さん。本物の〝刀剣女子〟として、これからも奮闘していくと誓った。

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