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震災13年を前に いわき中央・東署で行方不明者捜索 当時伝える教養も

 11日に東日本大震災から13年を迎えるのに合わせ、いわき中央署(馬場孝二署長)といわき東署(鈴木誠署長)は1日、それぞれ管轄の海岸で一斉捜索を行った。
 いわき中央署では平の薄磯海岸での一斉捜索に先立ち、震災以降に拝命した若手の署員たちに向けた「伝承教養」を実施。震災を経験したベテランの警察官が自身の体験や知見などを伝える講義で、署員約100人が出席した。
 講師を務めたのは、県警本部で行方不明者の捜索願いなどの相談ダイヤルの対応にあたった本間和典警務課長(60)。用意した回線では追いつかないほどの電話が殺到し、捜索願いに対応しきれずに悔しい思いをした経験を語りながら、「被災した県として、能登(半島地震)は他人事ではない。有事の際にはすぐに対応できるよう日ごろから備えてほしい」と伝えた。
 引き続き、小松博司巡査部長(53)が登壇。当時はいわき東署で沿岸部住民の避難誘導に努めたといい、能登半島地震では、特別自動車警ら隊として甚大な被害を受けた石川県輪島市へ向かい、警ら活動に注力した。
 小松巡査部長は被災者に対する声掛け、横行が懸念される〝火事場泥棒〟の抑止活動など、震災当時と能登半島地震の違いを比較しつつ、「安心安全のため。警らする姿を見せることが大切。通常勤務でも不審だと思ったことには臆さず声をかけてほしい」とアドバイスを送った。
 管内では、いまだに23人が見つかっていない。

 いわき東署では永崎、中之作、江名の3カ所と、警備艇おなはまを使って、署員17人が行方不明者の捜索活動を展開した。はじめに永崎海岸で黙とうをささげた後、鈴木署長が帰りを待つ家族の思いを胸に活動してほしいと訓示した。
 捜索には新人署員も加わった。地域課の佐藤匠巡査(19)は1月に配属されたばかり。4歳上の兄の影響もあって、警察官の道を志した。「震災の時は幼稚園の年長だったため、あまり記憶にない。しかしご家族のためにも、何か一つでも手掛かりを見つけたい」と佐藤巡査。警杖(けいじょう)を手に砂浜を丹念に調べた。
 管内の行方不明者は4人。
 (写真1枚目:いわき中央署で行われた震災の伝承教養 2枚目:永崎海岸で捜索活動をするいわき東署員)

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