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福島第一原発の処理水海洋放出 本年度分を完了 トリチウム濃度に異常なし
東京電力は17日、福島第一原発の汚染水を浄化した後の処理水を巡り、2月28日から行っている本年度最後となる4回目の海洋放出について、同日午後0時16分に完了したと発表した。
15日未明に福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生し、海洋放出の作業が約15時間にわたり中断したが、移送終了から配管の洗浄までの時間を短縮し、予定通りに終了した。
海洋放出は昨年8月に始まった。初年度は敷地内に保管されたタンクの処理水約3万1200トンを4回に分け、2週間あまりかけて、海底トンネルを通し、同原発から1km先の沖合に流した。
処理水に残る放射性物質トリチウムの濃度については、国の基準の40分の1(1リットル当たり1500ベクレル)未満になるよう、海水で希釈。周辺の海域では現在まで、異常な濃度は確認されていない。
2年目の来年度は合わせて約5万4600トンの海洋放出を計画しており、7回に分けて実施する方針。
(資料写真:福島第一原発に並ぶタンク群)