ジャーナリスト・池上彰さんをかたってSNS(交流サイト)上で投資を呼び掛け、いわき市の70代女性から合計1010万円をだまし取ったとして、いわき中央署は22日、中国籍、東京都墨田区亀沢四丁目、会社役員温焯麟=ワン・チェクルン=容疑者(34)の身柄を、詐欺容疑で地検いわき支部に送致した。
同署は21日、県警組織犯罪対策課、警視庁特殊詐欺連合捜査班の協力を得て、温容疑者を逮捕した。
逮捕容疑によると、温容疑者は他の人物と共謀し、3月4日から4月8日にかけて、池上さんになりすまして、いわき市の70代女性にSNSで「原油に投資すれば利益が出せる」などのメッセージを送信。投資に参加するよう申し向け、話を信じた女性から4月4日と8日の2回にわたり、合わせて1010万円を詐取した疑い。
同署によると、女性は動画共有サービス「YouTube(ユーチューブ)」の広告から投資サイトに接続し、LINEへ誘導された。そこから投資のやり取りを進め、温容疑者に現金を手渡したという。しかしその後連絡が取れないことを不審に思った女性が、4月12日に被害届を提出。捜査を進めたところ、温容疑者の犯行が明らかになった。
温容疑者は逮捕当時、「現金を受け取っただけ」と話していたが、送検時には「私はやっていない」と主張するなど、一転して容疑を否認する供述をしているという。同署では事件に関与したとみられる他者の特定と合わせ、温容疑者の犯行時の役割分担、受け取った現金の行方などについて捜査を進めている。
また全国的に投資詐欺が横行していることから、同署では「必ずもかる」という投資話は詐欺を疑い、警察に相談するよう求めている。
※ウェブの速報に合わせ、本紙記事を再構成してあります。
(写真:いわき中央署からの送検=22日午前10時52分)
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