生成AI(人工知能)を教育活動や校務に活用できるよう、先行的に取り組む学校として、文部科学省の「生成AIパイロット校」に、内郷一中が県内の小・中学校で初めて選ばれた。内田市長が30日、市議会6月定例会(6月6日開会予定)の議案に関する臨時記者会見で発表した。
いわき市では2021(令和3)年度から、すべての小・中学生に学習用端末を配備する「GIGAスクール構想」に合わせ、1人1台の端末が配備されている。
こうした中、内郷一中は既に数学・英語の授業で生成AIを採用し、文書作成や言語翻訳、画像生成による試験問題の作成を展開。生徒会での議論といった授業外でも、生成AIを交えている。本年度は他の教科に応用したり、教職員の業務にも使ったりしていく。
同校に加え、御厩小が文部科学省の「リーディングDXスクール事業」に選ばれており、児童・生徒の情報活用能力の育成を図りつつ、一人一人に合った学びの提供や、校務のデジタル化を進めていく。
こうした動きを基に、あらゆる面でデジタル技術を運用できるよう、市は本年度から「学びのDXチャレンジ校」を始める。生成AIパイロット校でもある内郷一中を基幹校とし、小学校は御厩、平二、豊間、湯本二の4校、中学校は平二、豊間の2校に加え、さらに5校程度を協力校として、より一層の教育活動の高度化を図る。
学びのDXチャレンジ校では、主にプログラミングの授業にデジタル教材を試行的に取り入れることで、生徒の習熟度に合わせながらコードを打つことができたり、需要が高まっている特別支援教育の子どもに対し、適した学習内容を与えられるという。
服部樹理市教育長は「できる子もつまづきがち子も、デジタル化によって必要な教育機会が提供できる。これまで教職員がアナログで分析していたことも簡単になり、働き方改革にもつながる」と期待を寄せている。
(写真:内郷一中の取り組みについて説明する内田市長)
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