学校法人昌平黌(緑川浩司理事長)主催の第36回「大成至聖先師孔子祭」が、運営する東日本国際大1号館「大成殿」で行われた。
孔子祭は儒学思想の始祖とされる「孔子」を尊び、「論語」の一節「義を行い以(もっ)て其(そ)の道に達す」を建学の精神に人間教育を実践する昌平黌の原点を再確認する祭典。1989(平成元)年6月22日、旧1号館に孔子を祀(まつ)る大成殿が落成したことを記念したのが始まり。91年の第3回では孔子直裔の第77代・孔徳成氏らを招いている。
同祭では学校関係者、来賓など約30人が出席。いわき雅楽会の厳かな音色が響く中、子鍬倉神社の上平康秀祢宜らの神事に続き、緑川理事長、吉村作治昌平黌総長、緑川明美同常務理事、中山哲志同大・いわき短期大学長、千葉義夫同大附属昌平中・高校長、山脇直司東京大名誉教授、我妻拓弥(同大3年)、番内穂乃華(同短期大2年)、立石晟(同高3年)さんらが孔子像を祀る神前に玉ぐしをささげ、拝礼した。
直会に続き、緑川理事長が「本学は個人の可能性を信じ、人間力を育むことを理念とする。孔子の人材育成に対する情熱に感謝の誠をささげたい。本日の孔子祭を次なる10年、創立130周年に向けた第一歩としたい」とあいさつした。
終了後、記念講演会がいわき芸術文化交流館「アリオス」で開かれ、山脇名誉教授、キャスターの草野仁さんが講師を務め、順に「徳、幸福、ケア・現代社会に必要なもの」「いつもチャレンジ精神で」の演題で話を進めた。
このうち草野さんはNHK入局時、アナウンサー志望ではなかったと明かし、地方放送局で自分なりに研さんしたことが後年の高校野球、オリンピックなどスポーツ中継担当に就いたことから、「組織には必ず見ている人がいる。注目されない仕事でも、一点集中することが大切」と述べた。
さらにフリーに転身した経緯、民放の視聴率競争など、テレビ業界の興味深い話も披露した。
講演に先立ち、第73回全日本大学野球選手権大会でベスト4に進出した同大硬式野球部に理事長特別表彰が贈られた。
(写真1枚目:孔子祭であいさつする緑川理事長 2枚目:講演する草野さん)