地域の子どもたち一人ひとりの心身の健康、生活の安定支援、自分らしさを発揮できる社会の実現などを目的に、「NPO法人はまどおりサポートちるどれん」(田子恵子理事長)=以下「はまちる」=が設立された。
東日本大震災、東日本台風、昨年の台風13号に関連した豪雨、さらにコロナ禍が及ぼした閉塞感と精神的ダメージなど、社会環境の変化によって、子どもたちの権利侵害が起きつつある中、行政施策の隙間を埋めるため、民間の担う役割を最大限に発揮し、今後さまざまな事業を展開していく。1日に市役所で田子理事長、菅波香織理事、平子あゆみ事務局長が会見した。
はまちるの田子理事長は、放課後デイサービス、児童発達支援、保育所等訪問支援などを行う「あんど」=常磐湯本町天王崎=の代表取締役を務めるかたわら、子どもたちへの人権教育・対話、障がい児らのカウンセリングサポートに取り組む「はまどおり大学」(菅波香織代表)のメンバーとしてイベントや勉強会、講座を定期的に催してきた。
それらの実績を生かし行政、関係団体との連携をさらに図っていくため、「はまどおり大学」から分離独立、法人設立に至った。すでにソフトバンク財団「子どもサポート基金」の助成を得ており、2025(令和7)年度までに認定NPO法人の認証取得を目指している。
今後の活動については継続事業も含め「子どもフリースクール」「不登校サロン」「こども食堂」「支援サポーター育成」ほか、子どもの人権に関する勉強会を実施する。このうち、小学生から高校生が登録する、子どもフリースクールは平、常磐湯本町の計2カ所、同じく同町で不登校サロン、こども食堂を開設している。
合わせて悩みを抱える子ども、大人のために「カウンセリング室はまちるーむ」も運営し、元教師、介護福祉士、児童指導員らが相談に応じている。事業の一環として17日午後7時から、FARO=平字三町目=を会場に不登校サロンを開く(事前予約不要)。
田子理事長は「いわき市の不登校の現状、課題の解決に少しでも役に立ちたい。官民一体で支援の手を差し伸べることが必要になってくる」と話す。問い合わせは、電話(43)0373、メールhamachil@outlook.jp=まで。
(写真:記者会見する田子理事長ら)
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