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能登への支援で初タッグ いわき市の2劇団 9月28、29日にチャリティー公演
今年設立20周年を迎えた「演劇集団黒ひげキャラバン」(阿部嘉明代表)と市民劇団「劇団いわき青春座」(出雲三和団長)によるチャリティー公演「『演劇のチカラ、このまチカラ』~なんかチャリティーやるんだって~」が9月28、29の2日間、いわきPITで開かれる。
能登半島地震被災地を支援するチャリティー公演として、2団体が初めてタッグを組んだ。だれもが楽しめる大衆演劇が持ち味の「青春座」と、玄人好みのアナーキーな世界観を持つ「黒ひげキャラバン」という異色の組み合わせとなり、阿部代表(43)は「一人ひとりの思いのチカラを大切に稽古を積み重ねたい」と語る。市、市教委、いわき民報社など後援。
公演は2本立てで、第一幕で青春座が「泥棒物語」(作・演出/吉永聖子)を、第二幕で黒ひげが「星を探す人たち」(作・演出/阿部代表)を演じる。相互の作品に役者が友情出演しながら作品を仕上げ、互いに刺激を受けながら新しい作品づくりに励んでいる。
青春座の劇は、小名浜(現小名浜海星)や湯本(現いわき湯本)を幾度も全国の舞台に導いた高校演劇のレジェンド石原哲也=本名・児玉洋次=さん(中央台)から運営を預かった団長の出雲さんが、「吉永聖子」名で初めて脚本を書き上げた。活動休止中だった同劇団が昨年、7年ぶりに復活公演をし、同時に石原さんが「引退宣言」をしたため今回は初めて、教え子の団員だけで作品を作り上げることとなった。
新体制の劇団を率いる出雲さんの出身地は平豊間。2011(平成23)年に東日本大震災が発生してからは、ふるさととより深くかかわり、内側からその復興の歩みを見つめてきた。
作品「泥棒物語」の舞台「豊磯」はその豊間と隣町・薄磯がモデル。息子夫婦を津波で亡くした91歳の主人公「フクさん」には自身の母親も含め浜の女性たちの明るく気丈な性質を反映させている。いわきを拠点に活動する演歌歌手大多喜健太郎さんが本人役で出演するのも目玉。出雲さんは「見たあとに生きる希望が湧いてくるような舞台にしたい」と語る。
9月28日は午後1時半から、午後6時からの2回公演。翌29日は午後1時半から。チケットは一般前売り2千円(当日2500円)、学生・障がい者千円。いわきPITでも取り扱っている。予約・問い合わせはメール=aohige20240928@gmail.com=または、青春座事務局電話=080(5225)5184=、または黒ひげキャラバン事務局=090(7332)1205=まで。
(写真:黒ひげキャラバンといわき青春座のメンバー)