■秋季高校野球いわき支部大会決勝(2日、ヨークいわき)
東日大昌平8-1勿来工(八回コールド)
東日大昌平は、ベスト8に入った夏の福島大会のメンバーから残ったレギュラーが、野手で佐藤界翔(2年)と武山幸平(同)の野手陣、それと控え投手の伊奈蓮樹(同)だけだったが、終わってみれば優勝候補の名に恥じない内容で頂点に立った。「監督になって支部大会の優勝は初めてなんだ」と江井康胤監督は笑った。
昨年夏のあと新監督に就任して以来、国体開催記念といわき選手権は制したが、県大会につながる秋の支部大会は2回戦、今春の支部大会も準優勝に終わっていた。「だから〝勝ち切ること〟にこだわった」。初戦の平工業には新戦力の斎藤結翔(同)の5打点の活躍もあって11-1の六回コールド。伊奈が9三振を奪って完投。準決勝ではいわき湯本に2-0。伊奈が142球で完封勝利、2試合連続でノーエラーと安定した守りを見せた。
そして決勝では、公式戦初登板の長谷川極(同)を先発で起用した。「夏場、調子が良かったのでね。緊張してストライクが入るかと思ったら飄々(ひょうひょう)と投げていた」と目を細めた。県大会で勝ち上がっていくなかで戦力になってほしい、という指揮官の期待に応えて六回途中まで被安打2失点1と好投した。
細身の178cmのアンダースロー投手。「先発はきょうの朝言われて緊張したが、マウンドに立ったらベンチやスタンドから仲間に応援されて楽になった」と、小学2年生から軟式やボーイズで投手があるだけに強心臓ぶりをみせた。4種類の変化球の中には下手投げ特有の浮き上がるボールもある。〝自主性〟を重んじるチームにあっては癖のあるフォームを矯正されることもなく、自分で考えながら練習を積んだ。
二回の初打席では先制タイムリーを放つオマケ付きの活躍。「県大会でもチャンスがあればいい投球をしたい」と意欲を見せた。
(写真:決勝で公式戦初登板を果たした東日大昌平の長谷川)
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