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勿来関文学歴史館でテーマ展「磐城平藩と窪田藩」 江戸時代のいわき南部探る
市勿来関文学歴史館のテーマ展「いわき南部を治めた藩~磐城平藩と窪田藩~」が27日まで、同館で開催されている。
いわき地方は関ヶ原の合戦の後、一帯を統治していた岩城氏にかわり、1602(慶長7)年に徳川家譜代の鳥居忠政侯が10万石の磐城平藩主として入封。その鳥居氏が離れ、代わりに内藤政長侯が入封すると、娘婿の土方雄重(かつしげ)侯を祖とする窪田藩が成立し、現在の南部地域の多くを支配した。
ただ三代藩主・雄隆(かつたか)侯の子息の家督争いから、わずか62年で御家断絶・廃藩となると、旧窪田藩領はそのまま幕府直轄領に。窪田村には「窪田御陣屋」=正確な場所は不明ながら、現在の窪田伊賀屋敷付近と考えられる=などと呼ばれる代官所が置かれ、ほかの領地は磐城平、泉、湯長谷、棚倉各藩の領地に細分化されたという。
今展では、江戸時代におけるいわき地方の地名や区割りなどがひと目で分かる、〝日本地図の先駆者〟長久保赤水作成の地図「改正日本輿地路程全図」の複製、市が所蔵する内藤義概(よしむね)侯=文芸を好み「風虎」の俳号を持ち歌人・俳人としても活躍=、幕府老中安藤信正侯の寄進状のほか、窪田藩取り潰しの後、貞享、元禄年間に記録された窪田村検知水帳と山林竹藪(やぶ)改帳、年貢割付など、当時の南部地域の市井の暮らしがうかがえる資料など約20点が展示されている。
開催時間は午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。問い合わせは同館=電話(65)6166=へ。
(写真:窪田村の暮らしなどがうかがえる貴重な資料=手前)