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初主演映画「港に灯がともる」 いわき出身・富田望生さん まちポレで舞台挨拶

 阪神・淡路大震災の発生から30年となった17日に合わせ、公開されたいわき出身の俳優富田望生さん(24)の初主演映画「港に灯がともる」。26日には、本市上映先のまちポレいわきで舞台挨拶が行われ、富田さんが詰めかけた観衆を前に「自分の作品を地元に持って来れるのが嬉(うれ)しい」と喜びを伝えながら、映画への思いや撮影秘話を披露した。
 震災後に生まれ、在日コリアンという出自から家族のはざまで葛藤する「アフター震災世代」の女性の成長を演じ、富田さんは「(作品を通じ)だれかの心の拠りどころになり、少しでも優しい世界になるきかっけになることを願う」と率直な気持ちを言葉にしていた。
 富田さんは、阪神・淡路大震災の翌月、家屋の倒壊と火災で多くの命が失われた神戸市長田区に生まれた、在日コリアン3世の女性「灯(あかり)」を演じた。
 在日としての意識は薄く、震災の記憶もない。親からこぼれる出自と震災当時の苦労話もどこか遠く感じていたが、長女が持ち出した日本への帰化話が家族の関係に変化を与えていくストーリーで、灯は悩み傷つき生きづらさを感じ、やがて心を病んでしまう。
 富田さんによると、撮影期間は50日弱で、この短期間で灯の十数年を歩み、さらに劇中では節目節目に感情が昂(たかぶ)り「魂をぶつけ合う」シーンが登場するため、「体が追い付かないときもあった」と吐露。
 ただ製作側も体調に配慮したゆとりあるスケジュールを組み、ほぼ物語の流れのまま撮影を進めていく手法を採用したほか、自身も神戸にマンションを借り、神戸の生活と営み、空気を感じることで「灯ちゃんを(私に)なじませていきました」
 「(映画を見るのが)正直辛い、すごく苦しいと思う方もいると思う」と富田さん。もうじき、東日本大震災から14年。自身は灯とは違い体験した、伝える立場として震災と向き合う。
 「大切にしていたのが『それぞれ』というワード。一人ひとりの震災体験と向き合うスピード、それぞれの向き合い方を否定しない、互いを尊重できる世の中になってほしい。そんな作品であってほしい」。富田さんは最後に「灯ちゃんはきょうも神戸で生きていると思う」と笑顔をみせた。
 (写真:大好きなふるさとの街並みを眺める富田さん)

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