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福島第一原発の処理水タンク解体始まる 跡地にデブリ保管施設を建設へ
東京電力は14日午前、福島第一原子力発電所の処理水をためていたタンクの解体を始めた。2026年3月までに12基の解体完了を目指す。解体で空いた敷地(約1600平方メートル)には、同原発3号機の原子炉から今後取り出される溶融燃料(デブリ)の保管施設などを建設する。
同原発の構内には処理水を貯蔵するタンクが1000基以上ある。敷地を圧迫して廃炉作業の障壁となっていることから、東電は23年8月に処理水の海洋放出を開始し、タンクの解体を目指してきた。
今回解体されるタンク12基は、処理水を放出して既に空になっており、それぞれ高さ約12メートル、直径約9メートル、容量約700トン。3号機原子炉建屋から500メートルほどの敷地に林立している。
この日は午前8時5分に解体を開始し、クレーンを使ってタンクの天板を外す作業を行った。1基の解体には2~3週間かかる見込みだという。東電は今後、隣接する敷地に立つ9基についても解体する予定で、計約2900平方メートルの敷地を確保できる見通しだ。
東電は13日にタンクの解体を始める予定だったが、強風のため、着手を延期していた。(読売新聞社配信)
(写真:解体を前に報道公開された処理水タンク=13日午前、代表撮影)