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<震災14年ー向き合う⑧>復興のアイデア 中央台北中から環境大臣賞など3人受賞

 東日本大震災・東京電力福島第一原発事故からの復興や、環境再生に向けての取り組みをテーマに、環境省が主催した「いっしょに考える『福島、その先の環境へ。』チャレンジ・アワード2024」で、中央台北中から最高賞の環境大臣賞を含む3人の受賞者が生まれた。
 チャレンジ・アワードは2020(令和2)年から始まった事業で、全国の中学生から大学生を対象に作文・プレゼンテーション、アートポスターを募集している。同校から受賞した3人はいずれも震災を知らない世代に当たるが、家族との対話を通じ、それぞれ自分の言葉でふるさとの将来を見つめている。
 表彰式は8日、双葉町産業交流センターで開かれた。チャレンジ・アワードの中学生の部は作文で、福島の環境と未来に対しての提案やアイデアを1200字程度で求められた。募集期間は昨年7月から11月にかけてで、中央台北中では希望者に夏休みの宿題として書いてもらった。
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 中学生の部の計6人の受賞者のうち、環境大臣賞の斉藤礼さん(13)=1年=は「福島を発展させるために私にできること」と題し、当時の被災に関する学びを踏まえ、さまざまな人の「震災ストーリー」を集め、新聞にまとめたり、動画コンテンツに仕立てたりすることで全世界に届ける考えをつづった。
 斉藤さんが震災に関心を抱いたのは、小学5年の時の見学学習。薄磯のいわき震災伝承みらい館や、浪江町の震災遺構・請戸小、双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館を訪れ、津波や原子力災害について初めて理解したと振り返る。
 ただ自身が生まれたのは震災から2カ月後の2011(平成23)年5月。「どこか遠い出来事だと捉えていた」と正直な感想を明かしつつ、家族が体験した話から自分事に感じられるようになったという。
 当時4歳で保育園児だった姉は震災の記憶があり、園庭に避難した後、吹雪の中でテントに入ってみんなで寒さに耐えた——。教員だった母は産休直前で、身重の体ながらも生徒たちを落ち着かせ、全員を保護者に引き渡すまで学校に残った——。こうした一人ひとりの話は「貴重な物語」と語り、福島の未来につながると結んだ。
 鈴木結人さん(14)=2年=は「『嗚き砂』で福島の海の魅力を取り戻す」で県知事賞に輝いた。鳴き砂を三春町の滝桜や会津の紅葉などと並んで、福島県の素晴らしい環境のPRに付け加えるべきと呼びかけた。
 渡辺絢太さん(13)=1年=は、海洋プラスチックごみの問題を交えた「きれいな海岸と自然に還るプラスチックで創る、これからの福島」で入賞した。汚れた海では水産物への印象も悪くなると指摘し、すべての人が海岸をきれいに保つという意識を持ってほしいと投げかけた。
 (写真:賞状を手にする渡辺さん、斉藤さん、鈴木さん=左から)

PR:いわき市北部地域を中心に、児童養護施設、老人保健施設、特別養護老人ホーム、ケアハウスをはじめ、診療所とデイケア、デイサービス、居宅介護支援、訪問介護、訪問リハビリと多種多様な福祉、医療事業を展開。

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