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東海第二原発の過酷事故時 いわきに日立、高萩市民向けの検査場 茨城県外で初

 日本原子力発電東海第二原発(茨城県東海村)での過酷事故を想定し、いわき市を広域避難先に指定している同県日立市、高萩市の住民のため、新たにいわき市の5カ所に避難退域時検査場所(スクリーニング場)が設定された。放射性物質による汚染を調べる場所は、原則として茨城県内に置かれているが、検査体制を強化するため、初めて県外にも設置が決まった。
 いわき市の追加先は南部アリーナ駐車場(錦町細谷)、市企業交流会館(泉町下川)、市総合保健福祉センター駐車場(内郷高坂町)、好間中央公園(好間工業団地)、三和ふれあい館駐車場(三和町下市萱)となる。
 いわき市と茨城県の自治体は2017(平成29)年から18年にかけて、それぞれ東京電力福島第一、第二原発と、東海第二原発に対する原子力災害を想定し、広域避難に関する協定を結んだ。東海第二原発で災害が起きた際は、いわき市に日立市の1万7千人、高萩市の2万2千人が避難する計画となっている。
 いわき市危機管理課によると、東海第二原発で過酷事故が発生した場合、茨城県から広域避難する対象人口が多いため、スクリーニング場での渋滞が懸念されることから、昨年6月に茨城県から設置についての相談があった。市、福島県、茨城県の3者による調査や正式な依頼を経て、市内5カ所が決定した。
 スクリーニング場はいわき市の5カ所を含む計44カ所を指定。ゲートを通過することによって車両を調査し、基準値以下であれば検査済証を受け取って避難先へ。基準値を超過していると乗っている代表者1人、続いて全員を調べ、同じく超えている場合、車両や着衣のふき取り、脱衣、シャワーなどの簡易除染を実施する。
 ゲートは南部アリーナ駐車場が5レーン、市総合保健福祉センター駐車場、好間中央公園が各2レーン、市企業交流会館、三和ふれあい館駐車場が各1レーンとしている。
 使用する資器材は茨城県で用意し、同県職員が対応するが、原子力災害の際には現場が混乱することは十分考えられるため、いわき市でも必要に応じて支援する。同県から市内への広域避難に当たっては実際に訓練を行っており、市はこうした点でも関係を密にしていくという。
 (写真:スクリーニング場となる南部アリーナ駐車場)

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