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いわき市初の定額タクシー 遠野地区で運行開始 公共交通空白地の解消向けて
いわき市の公共交通空白地の解消に向けた取り組みとして、1日に遠野地区で市内初となる定額タクシーの運行が始まった。遠野地区では路線バスのダイヤ改正による減便・廃止があり、昨年9月から今年2月にかけて定額タクシーの実証事業を展開し、社会実装が決まった。
運行主体・遠野町地域づくり振興協議会の高木忠行会長は「運行開始は地域の声と行政の支援が結びついた大きな成果。多くの方々に利用いただけるよう、引き続き利用促進に努めていきたい」と話している。
定額タクシーは遠野観光が所有するジャンボタクシー1台と、小型タクシー3台の計4台を活用。対象は15歳以上で、時間は午前8時~午後5時(高校生に限って、これ以外の通学・部活動の時間帯にも乗ることができる)。
自己負担額は地区内は実証事業と同じく1千円のままで、地区外はメーター料金5千円未満は2千円、同5千円以上は2500円とする。また実証事業の結果を踏まえ、1人の利用回数は月16回まで。
利用には登録が必要。初めての利用者は遠野観光=電話(89)2056=まで連絡するか、インターネット<こちら>から申請すると、登録証が自宅に約1週間で郵送される。利用時には遠野観光に登録証の番号、乗車場所、目的地を電話し、乗車時に登録証を提示すればよい。
高校生は遠野地区区長会から1日500円の補助が受けられる。通学・部活時間帯で利用する際は、利用日3日前の午前8時から前日の午後7時に予約する必要がある。
1日には、遠野町上遠野の遠野観光で出発式が開かれた。関係者によるテープカットに続いて、小型タクシー1台が出発した。運行開始について、遠野観光の西村俊二代表取締役は「たくさんの方々の要望があって実現できた。地域を見回る防犯の役割も担っているので、気軽に使ってほしい」と呼びかける。
遠野地区区長会の斎藤七重会長は「まち中から遠い小渕や深山田の方面に住む人や、高齢者たちは『いつ始めるの?』と待ち望んでいた。どんどん利用して快適に過ごしてほしい」と期待を込めた。
市内では今秋、四倉、久之浜・大久地区でも定額タクシーの社会実装が予定されている。
(写真:運行が始まった定額タクシー)