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小浜・いわき健康センターに「銭湯絵」 男湯は白水阿弥陀堂、女湯は富士山
小浜町の温浴施設いわき健康センターに、巨大な銭湯絵がお目見えした。横幅10mほどの壁画で、男湯は白水阿弥陀堂、女湯は富士山となっている。
施設を運営する磐城実業株式会社(宮野由美子代表取締役)が世界に誇る公衆浴場の日本文化を見直し、再認識してもらおうと、日本に3人しかいないという銭湯ペンキ絵師のひとり田中みずきさん(東京)に依頼して完成させた。
銭湯絵は、公衆浴場が担ってきたマナー育成の場としての公共性や、非日常空間を楽しむ象徴として制作。風呂場に足場を組み、田中さんは下書きなしで1作品当たり8時間ほどで描き上げた。田中さんに壁画のイメージを伝えた宮野さんは「120パーセントの出来。ぜひ銭湯絵を見に来てほしい」と話している。
ほぼ描き上げた作品を前に田中さんは「こちらの施設は、スタッフの対応と同様、明るく温かいイメージ。絵を見た利用客も同じような気持ちになってくれたらうれしい」とほっとした表情を浮かべた。
銭湯絵は、県外の利用客向けに県内唯一の国宝建造物である白水阿弥陀堂と、宮野さんが好きな旧千円札の描かれた逆さ富士をモチーフに描いた。白水阿弥陀堂に池、富士山には湖を配するなど、浴室のイメージに合うように水辺も描き、施設のキャラクター、ラッコも登場させている。
2013(平成25)年ごろ、市内の施設に先駆けて導入したロウリュのチームが22(令和4)年10月の全国大会で優勝してから、全国各地から多くの人が訪れるようになったという。
また、銭湯絵の完成に合わせて、風呂上がりに楽しんでもらおうと、のど越しが良いクラフトビール「YUAGARI LAGRE」(330ml)の販売も始めた。日立麦酒醸造所と意見交換を重ね、さまざまな料理に合う、女性にも飲みやすい味に仕上げた。アルコール度数4・5パーセント。ビールによく合うタコスも提供している。
(写真:いわき健康センターの女湯にお目見えした銭湯絵の富士山)