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防災庁誘致へ いわき市と官民の期成同盟会が政府要望 現場の声伝えるスピーチも

 政府が2026(令和8)年度中の創設を進めている「防災庁」について、市と官民で組織する「いわき市への防災庁設置を目指す期成同盟会」(会長・小野栄重いわき商工会議所会頭)は5日、東京・霞が関で河合宏一・防災庁設置準備室審議官と面会し、防災庁誘致に向けた要望活動を展開した。
 またいわき市独自の取り組みを伝えるため、3人の市登録防災士がスピーチに立ち、河合審議官に対してこれまでの活動や防災への思いを披露した。
 市と期成同盟会の要望書は「『国際防災都市』を目指すいわきに、防災庁を!!」と銘打ち、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故と、2度にわたる水害を乗り越えた知見を強調した。特に震災時に、地震と津波、原発事故という三重の複合災害に見舞われながらも、双葉郡から2万人以上の避難者を受け入れつつ、復興にまい進した点を「歴史上、前例なき経験」と訴える。
 水害に関しては迅速な避難所開設、ボランティアの受け付け、罹災証明書の発行が実現。職員の能力が向上し、災害マネジメント総括支援員(GADM)の取得を通じ、他自治体の災害にも駆け付けていると重ねる。
 昨年12月には日本で初めて「地域リーダー国際研修センター(CIFAL=シファール)」の拠点が開設され、国際防災人材の育成・研修も可能と呼びかける。南海トラフ地震や首都直下型地震の影響が少ない地理的な利点や、防災活動を巡って高い評価を受ける学校や地域団体があることなども盛り込み、いわき市の果たす役割は大きい、とまとめた。
 河合審議官との面会は一部非公開で、内田市長、小野会長が要望書を手渡した。市登録防災士の緑川琴江さん(45)、黒沢彩さん(38)、鈴木仁太さん(16)=磐城高・1年=が同席した。
 スピーチとして、緑川さんは保育所給食調理員の立場から、災害時のアレルギーを取り巻く環境を指摘。黒沢さんは演劇を通じた防災教育に尽力しており、コミュニケーションの重要性を説いた。鈴木さんは当時最年少の13歳で市登録防災士となり、同じ世代に災害への備えを伝えている様子や、教育現場がより防災に関心を持つ大切さを語った。
 内田市長は「現場の生の声を聴いていただき、事前防災のあり方を含め、いわきの強みを知っていただくことができた」と自信をにじませる。小野会長も「防災庁が目指している事柄を、いわき市がすでに取り組んでいると分かってもらえたと思う。3人のスピーチはとても心強かった」と話した。
 (写真:いわき市の取り組みに耳を傾ける河合審議官=中央)

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