JR湯本駅前を中心とした常磐地区の再開発計画を巡り、市からまちづくり会社・ふらゆもりに対する業務委託費として、934万2300円を支出した取り扱いが不透明とした件を巡り、いわき市の50代女性が内田市長を相手取り、違法な公金支出に対して返還を求める住民訴訟を起こした。原告代理人の広田次男弁護士らが8日、市役所記者クラブで会見して明らかにした。
この問題は今年4月、住民監査請求が行われたが、6月18日付で棄却されていた。女性は7月17日、地裁いわき支部に対して住民訴訟を提起して受理され、行政事件のため福島地裁に回された。
女性によると、ふらゆもりは2023(令和5)年8月に設立され、翌9月から24年3月にかけて、再開発に対する勉強会や説明会などの業務委託を受けたが、マイロックチョコレーツ(横浜市)に602万2500円で再委託された。ただ女性の調査では、勉強会や説明会の実態が明らかにできなかった。
マイロックチョコレーツは「トコナツ歩兵団」の名称で、シティブランディングに関する活動を展開しており、いわき市ではブランドメッセージ・フラシティいわきや、いわき湯本温泉の女将がフラを踊る「フラ女将」を手がけてきた。
ふらゆもりはまちづくり団体・じょうばん街工房21の関係者で構成しており、市ではふらゆもりの業務実績については問題ないとしているが、設立間もない企業に随意契約する合理的な理由はないとし、その違法性も追及している。
内田市長は「現時点では、まだ訴状は届いておらず、詳細が不明であるため、コメントはできません」と話している。
(写真:住民訴訟について説明する広田弁護士)
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湯本駅前の再開発計画巡り住民訴訟 「いわき市は違法な公金支出」と返還求める






