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小名浜・長瀬印刷 経済産業大臣賞に輝く ブラックライト用インクで高い技術発揮
全国700社あまりの印刷業者などで構成する「日本グラフィックサービス工業会(ジャグラ)」による作品展で、小名浜字渚廻の長瀬印刷が宣伝印刷物部門の最高賞・経済産業大臣賞に輝いた。
受賞作は「ブラックライトカクテルメニュー2種(<1>かんのん折り、<2>中綴じ)」。東京・虎ノ門に立つラグジュアリーホテルの飲食店からの依頼で手がけ、ブラックライトによって隠しメニューが浮かび上がる特殊印刷が高い評価を受けた。
ジャグラ作品展で大臣賞に輝くのは20年ぶり。鈴木博太営業課長は「大変素晴らしい賞をいただけた。実際に納得のいくメニューにするまでは試行錯誤を繰り返した」と振り返る。
特殊印刷加工に定評がある同社だが、ブラックライトを照射するとフルカラーで発光するインクは、裏写りしてしまうために片面のみの採用が一般的。そこで紙質やニス塗りの工夫を施し、両面で使っても問題ないように仕上げた。
通常の明かりの下では何の変哲もないメニューが、波長の短い紫外線にあてることで別な内容が浮かび上がる仕掛けは見る人をワクワクさせる。完成まで足掛け3年を要しており、同社の高い印刷技術による鮮やかな発色も見ごたえがある。
「ぜひ多くの方に私たちの技術を知ってもらえればと思う。さまざまな印刷に対応しますので、皆さんに興味を持っていただければ」と呼びかけた。
(写真:ブラックライトで隠しメニューが浮かび上がる特殊印刷)