超少子高齢化社会を背景に、各地で伝統芸能の後継者問題が顕著となるなか、江名地区では市教委の協力を得、地元江名小の子どもたちに授業の一環で江名諏訪神社(江名字走出、江名守康宮司)に伝わる市指定無形民俗文化財の「江名の獅子舞」に触れる機会を設けている。
郷土芸能を次世代につないでいくという意識が住民たちに芽生え始め、体験した子どものうち数人が毎年、獅子舞の演者、篠笛の楽人として携わるように。今年は小学2年生から中学1年生まで14人が、30、31日に斎行する獅子祭に参加する。
江名の獅子舞(三匹獅子)は、五穀豊穣や子孫繁栄に加え、かつて東北有数の北洋漁業(サケ・マス漁)の拠点港として栄えた港町らしく大漁を祈願するため、江戸時代の中期1769(明和6)年に始まり、8月の祭礼で奉納されてきた。
大正時代に休止と再興を繰り返し、80年ほどは平下高久の氏子らが伝承してきたが、東日本大震災を機に住民有志による継承の機運が高まった。
2013(平成25)年に神社総代と江名地区まちづくり協議会、有志らが「江名諏訪神社文化伝統保存会」を発足。江名の子どもたちが平下高久の伝承者の指導を受け、今に三匹獅子を受け継いでいる。
獅子頭を付けて踊る江名小6年の野地華心さん(11)は「小さいころから郷土芸能が好きで、地域の祭りに参加したかったからうれしい」と笑顔をみせ、「当日は神様に江名を守ってほしいとの願いを胸にしっかりと躍りたい」と抱負を語った。
30日は宵祭で、午後5時45分ごろに神社境内で、同6時半ごろに江名魚市場で奉納。本祭の31日は午前8時15分ごろから正午まで順次、地区内の10カ所以上で三匹獅子を舞う予定だ。
練習風景の動画は<こちら>。
(写真:江名の獅子舞を継承する子どもたち)
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郷土芸能を次世代へ 「江名の獅子舞」子どもたちが継承 30、31日に例祭






