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小名浜出身の世界的指揮者・小林研一郎さん ふるさとの子どもたちに音楽届ける

 小名浜出身の世界的指揮者・小林研一郎さん(85)率いる「コバケンとその仲間たちオーケストラ」による公演が19日、いわき芸術文化交流館「アリオス」アルパイン大ホールで開かれた。同館主催、FMいわき、いわき音楽振興会の協力。
 指揮者として国内外で活躍し、「炎のコバケン」として知られる小林さん。今回のオーケストラは、2005年に長野で開催された知的障がい者による国際競技大会「スペシャルオリンピックス」に合わせ、社会貢献を目的に発足し、活動の趣旨に賛同する奏者で構成されている。
 公演には小林さんのふるさとの後輩たちとして、小名浜地区の小学5、6年生約1500人を招待。子どもたちは目を輝かせながら、演奏に耳を傾けていた。
 小林さんは終演後、報道各社の取材に応じ、会場の反応に対しては「いわきでは何度も公演をしていますが、きょうは一番はじけていたと思います。うれしさを倍増させていただきました。イタリアでもあんな反応はなかった」と笑顔を見せた。
 自らは小学4年で作曲に目覚め、音楽の道を歩みだしたと振り返り、「子どもたちにはどう感じてもらっても結構です。君らの将来に、新しく芽生えるものがあればとの気持ちです」と重ねた。
 コバケンとその仲間たちオーケストラはプロ・アマの垣根に加え、障がいの有無に関係なく一つの音楽を生み出している。「オーケストラを超えた組織の素晴らしさが、この楽団には宿っている。皆さんに聴いていただいた時に、想像を超える感性が生まれてくる」と強調し、子どもたちにも伝わってほしいと目を細めた。
 今回は自ら作曲した「『パッサカリア』から 夏祭り」も披露した。日本とオランダの交流400年を記念し、1999年に手がけた作品で、幼少期に見た地元の祭りから、自宅の前を通るみこしや神楽の様子が投影されている。世界的に活躍しても、ふるさとの風景は忘れられないという。
 4月で85歳を迎えたが、変わらず一線に立つ。「まだまだこれからだと思っています。心ある方と一緒に、多くの人たちに音楽の美しさを届けていきたい」と優しくほほえんだ。
 (写真:力強い指揮で音楽の魅力を伝えた小林さん)

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