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平中平窪のキウイ復活へ 原発事故、東日本台風乗り越えた渡辺さん ブドウも人気

 2019(令和元)年の東日本台風(台風19号)の大雨で夏井川が氾濫し、平中平窪地区のキウイ畑が全滅した農家渡辺信行さん(72)が、復活に向けて奮闘している。
 約2mの泥水に浸かった約500本の木は枯死し、雑菌が付いた恐れがある約2・5t果実は販売を断念。新たに苗木を植え直し、昨年、収穫できた実は水害時の1割強だった。今年は2割を目標に今月25日に販売する予定で、「生産量が少なく希少性があり、濃厚な甘みがあるレインボーレッドなどを販売するのでぜひ来てほしい」と呼び掛けている。
 渡辺さんは、14年前の東京電力福島第一原子力発電所事故で古里を追われた双葉郡大熊町出身。町の特産品キウイの栽培を平中平窪の畑で再開したが、初出荷の翌年、2019年10月に水害に襲われた。
 原発事故と台風による2度の災害に見舞われる中、徐々に枯れていく木の代わりに新たな苗木を植える日々。再び果実を付けるまでの期間を考え、目を付けたのが比較的、収穫が早い生食のブドウだった。
 寒暖差が少ない地域で、栽培には不向きとの不安の声もあったが21年、1200平方mの畑を新たに借りた。シャインマスカットなど4種の栽培を始め、今夏、初めて出荷することができた。3年後には、ほかの高級ブドウの出荷も見込む。
 猛暑の今夏、約10台の扇風機をフル稼働すると、酸味が弱く糖度20度ほどの約4000房がたわわに実り、口コミで評判が広がった。渡辺さんは「浜通り地域では珍しい、シャインマスカットなどの生食のブドウをまずは味わってもらいたい。キウイとともにこの地の特産品として根付かせたい」と話している。
 9月下旬ごろまでのブドウに続き、今月25日にはキウイの販売を始める。数が少ないため、なくなり次第、終了する。5、6個入りのパックと1kgの箱売りを想定。価格は種類により1箱千円から1500円程度になる見込みという。初日にはキッチンカーも出店する。
 (写真:収穫したブドウを手に取る渡辺さん=右)

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