吹奏楽の全国大会「第73回全日本吹奏楽コンクール」(全日本吹奏楽連盟などの主催)の高校の部が19日、栃木県宇都宮市の宇都宮市文化会館で開催される。
いわき市からは東北代表として、磐城が2年連続24回目の出場を決めている。全国11支部の代表30校がエントリーし、前後半15校ずつに分けて審査され、磐城は2015(平成27)年以来の最高賞・金賞を目指し、本番に向けて練習に励んできた。
部長の原田恭佑さん(3年)は「応援してくださる方々に、感謝の気持ちを伝えられるように演奏したい」と胸を張る。
吹奏楽コンクールは4曲の中から1曲を選ぶ課題曲と、各団体による自由曲の計2曲で審査される。規定時間は12分で、高校の部の奏者の上限は55人となっている。
磐城の課題曲は行進曲ながらポップス的な要素も含む「マーチ『メモリーズ・リフレイン』」(伊藤士恩作曲)で、高校生らしい快活な演奏を繰り広げる。
自由曲は「パガニーニ・ロスト・イン・ウィンド」(長生淳作曲)に挑んだ。イタリアの作曲家パガニーニの「24のカプリス」から、24番目の主題をモチーフにした楽曲で、さまざまな楽器による多彩な響きと技巧的な旋律が印象的で、一人ひとりの奏者に高い技術が求められる。
8月の東北大会で代表の座をつかんだが、県立高を取り巻く部活動の環境や、生徒のほぼ全員が大学進学する学校の性格上、長い時間の練習はできない。原田さんはそうした状況を逆手に取って「『いい音楽を作っていこう』とする思いは、どの学校にも負けない」と力強く語る。
何よりも先輩たちから受け継いできた伝統が、彼らを奮い立たせる。今年3月には長く磐城の指導者を務めた根本直人さんが急逝した。時代は変われど、連綿と続く信じた音楽を貫く大切さは変わらない。
指導する橋本葉司さんも「私は(根本さんの)教え子でもあるので、これまで築いた伝統を大切にし、恥じない演奏ができれば」と呼びかける。
本番は前半の部の11番目(午後0時5分予定)となっている。
(写真:全国大会に向けて練習に励む磐城高吹奏楽部)
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19日に吹奏楽全国大会 磐城が2年連続出場「感謝の気持ちを演奏に乗せて」







