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県内私大・短大が取り組み伝える いまだ原発事故の影響残るも…正しい情報発信
東日本大震災・東京電力福島福島第一原発事故からの復興をテーマに、県内の私立大・短大による「福島県の安心・安全に関する情報発信会」が6日、平鎌田の東日本国際大で開かれた。
県私立大学・短期大学連合会(事務局・学校法人昌平黌)の主催。原発事故から間もなく15年が経過する中、依然として入学者の確保に風評が影響しているといい、県外の高校生やさまざまな利害関係者(ステークホルダー)に対し、正しい理解を求めるとともに、高等教育機関として復興にまい進する姿を伝える狙いで開催した。
大学・短大への入学者を巡っては、震災・原発事故前の2010(平成22)年度と、昨年度を比較した場合、全国の95・8%に対し、同会傘下の9大学では50・5%まで落ち込んでいる。
情報発信会は2部構成で行われ、第1部では東日本大震災・原子力災害伝承館長の高村昇・長崎大教授、コメを中心に有機農法を手がける「吉成農園」(岩瀬郡天栄村)の吉成邦市代表が講演に立ち、それぞれの立場から福島の現状を語った。
第2部では加盟各法人・大学が取り組みを示した。東日本国際大・いわき短期大からは、中村隆行短大学長が登壇。米ワシントン州の核施設から再生したハンフォード地域との交流や、同大に昨年12月に開設された「ユニタールCIFAL(シファール)ジャパン国際研修センター」に関する事業を披露した。
中村学長は国際的な視点を持つ学生が増えているとし、単に震災・原発事故からの復興にとどまらず、国内外で活躍する若者を送り出していると呼びかけた。
また中央台飯野の医療創生大からは、ゴウ・アーチェン学長代行が発表に立った。来年4月から総合医療学部を設置し、ワンチームの学びを提供していくほか、海外との連携も強化し、広い視野で地域課題と向き合っていると強調した。
(写真:復興や人材育成の取り組みを語るいわき短期大の中村学長)