東日本大震災・東京電力福島第一原発事故の発生から、11日で15年を迎えた。復興は道半ばで、福島第一原発の廃炉や、中間貯蔵施設に保管されている除去土壌の県外最終処分など課題は山積している。災禍の経験を次世代につないでいく大切さが求められているが、いわき市の若い世代も率先して思いを深めている。
中央台北中1年の白土大翔さん(13)もその一人。幼い子どもでも自然に対する脅威を学べる「津波と鬼ごっこ」や、幅広い世代が防災について考える「震災サバイバル」を提案し、これらのアイデアをまとめた作文は環境省主催の「チャレンジ・アワード」で最高賞の環境大臣賞に輝いた。
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「海の力はこんなにも恐ろしいのか」。いまから3年前、白土さんは双葉郡富岡町の「とみおかアーカイブ・ミュージアム」で、津波にのみこまれた双葉署のパトカーを目の当たりにした際、恐怖を感じたという。
震災後に生まれたため、当時の災禍は直接知らない。ただ小学3年ころから、震災にまつわるニュースをしっかりと理解できるようになり、自分の街を襲った自然災害に関して、自分なりに分かるようになった。
そうした中で「これから震災のことを学ぶ子どもたちには、恐怖であおるのではなく、楽しく学べる工夫が必要ではないか」と思い至った。もちろん震災の記憶を忘れないことが大前提と強調する。
チャレンジ・アワードにあたり、アイデアの一つ「津波と鬼ごっこ」はそこが出発点となった。津波から命を守るにはとにかく速やかに逃げる、高台に逃げることが要求されるため、まずは子どもたちに津波に見立てた『鬼』から逃れてもらう。
地震を巡る学びには真剣さが要求されるが、「『鬼ごっこ』なので、笑いながら走ってもOK。大事なことは逃げることを覚えてもらう」と白土さん。拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などの最新技術も積極的に活用し、小さな子にも体感してもらえればと呼びかける。
また「震災サバイバル」では、いま各家庭に保管してある防災リュックを持ち寄ってもらい、地域の公民館等を会場に、自然災害が起きた時と同じように生活してもらう。
▽水道が止まった▽電気が止まった――など災害の状況に応じ、本当にその中身で大丈夫かを検証。周りの環境もうまく利用しながら、災害を自分事としてとらえてもらう。
白土さんは「私たちは災害から逃れることはできない。だからこそ、いつ起こるか分からない災害に恐怖を抱くのではなく、命を自分で守れるような教育が必要」と訴える。そして「福島で生まれた私たちこそ、こうした方法を広めていく役割を負っている」と胸を張った。
(写真:環境大臣賞を手にする白土さん)
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震災15年 防災アイデアまとめて環境大臣賞 中央台北中・白土大翔さん






