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いわき市 28年度から公共下水道を民間委託へ コスト削減・業務効率化狙い
市は2028(令和10)年度から、公共下水道の維持・管理などの業務を民間に委託する「ウォーターPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)」を導入する方針を固めた。
市生活排水対策室が21日、導入に向けた基本方針を公表し、事業の概要について明らかにした。
現時点で上水道を含めウォーターPPPを導入した県内自治体はないが、民間のノウハウ・創意工夫で「持続可能な維持管理体制」を構築していく。
いわき市は14市町村の合併で誕生したため、平下神谷の北部、小名浜大原の中部、錦町の南部の3カ所の浄化センターを中心とした処理区で、公共下水道を展開している。
下水管は総延長約1133kmにもおよび、標準的な耐用年数とされる50年を経過する管路は24年3月時点で、全体の10・6%に当たる140km。
今後急速に増加し、20年後には約44%に相当する500kmとなる見通し。その他の関係施設も老朽化が進んでいく。こうした状況を踏まえ、市では24年度からウォーターPPPの導入可能性の検討に着手した。
上下水道の官民連携に関しては、全国的に料金の高騰やサービス低下を懸念する声が聴かれるが、施設の運営権や利用料金の収受に関しては市に残す「レベル3・5」と呼ばれる仕組みとし、維持・管理は民間に行ってもらうことで、市民サービスを維持しながら、コスト削減や市の業務効率化を図っていく。
導入にあたっては市域の広さを踏まえ、中部・南部の両処理区を対象とし、管路・ポンプ場、処理場すべてを取り扱う。期間は10年間。
長期にわたる契約を通じ、安定した業務や創意工夫のしやすさを考慮している。なお北部処理区は包括委託を継続するほか、将来的には事業単位の統合を検討している。
また民間に委託することで、地元技術者、市の双方の技術力が低下しないようにも留意。管渠やポンプ場の改築・耐震工事などは直接発注を続ける。
今年10月に要求水準書・募集要項を示し、来年4月から事業者の公募を始める予定。
ウォーターPPPを巡っては、国土交通省が23年に推進を提唱し、31年度までに計200件(水道100件・下水道100件)の導入目標を掲げている。
レベル3・5の仕組みでは、茨城県守谷市(上水道・下水道・農集排一体)や、神奈川県箱根町(上水道)で行われている。
(写真:ウォーターPPPの対象となる方針の市中部浄化センター)