『ブラタモリ』が人気なのは、タモリさんが単なる観光地めぐりではない、独自の切り口でまちを紹介するからであろう▼永六輔さんが案内した昭和40年代の旅番組『遠くへいきたい』も「自分の町内であっても、1度も曲がったことのない横丁を曲がればそれが旅」という、安っぽい観光・グルメ案内を排除した永さんのエキスがふんだんに盛り込まれていた▼内郷地区で4月から始まった「まち歩きミニミニツアー」。タモリさんや永さんがこの企画を知ったらニヤリとするだろう。内郷のまち案内の中に、あの白水阿弥陀堂も石炭発祥の地・弥勒沢もない。代わりに登場するのが、「川底見える白水川で川遊び」であり、2つの小島町をテーマにした「内郷と平の境界を歩く」だ▼なんてマニアックなまち案内! 「一之矢神社でバイオリンコンサート」というのもある。こういう視点でわがふるさとを見ることができる住民がいることに旅好きの抄子も〝ニヤリ〟だ。
片隅抄