市は20日から、高齢者の身体機能が低下するフレイル(虚弱状態)を防ぐ取り組みとして、IoT(モノのインターネット)機器を活用した事業を始める。この事業では、希望者にモーションキャプチャー付きのスパッツを着用してもらい、歩き方を解析して、その人の健康度をチェックしていく。
次世代移動サービス「MaaS」による出張行政サービス「お出かけ市役所」を通じて、市内のさまざまな場所で展開できるため、市民の健康増進が期待される。移動型での取り組みは全国初となる。
内田市長が17日、定例の市長記者会見で、新たなフレイル予防事業の実施を発表した。
いわき市の要介護認定率は20・8%で、県内平均と1・5ポイント、全国平均と1・9ポイント上回っている。さらに新型コロナウイルス感染症の影響で、外出を控える高齢者が多いことから、要介護リスクが高まるフレイルの進行が危惧されるという。
こうした点を踏まえ、市ではIoT機器を使って、歩行を見える化・評価し、簡易的なアドバイスを伝えることで、フレイルの早期発見・予防につなげていく。
モーションキャプチャ付きのスパッツからは、歩幅、方向速度、つま先高さ、左右偏り、リズムの5項目が判定され、65歳の平均と比べた場合の状態が確認できる。歩いている様子は、実際に可視化され、これらを総合して点数を付け、まとめたシートが発行される。
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