先ごろ発表された2011年の世相を1字で表す今年の漢字は「絆」に決まった▼絆を挙げた理由としては東日本大震災や紀伊半島豪雨などの大規模災害で、家族や友人、知人との絆の大切さをあらためて知ったなどだった。ちなみに2位が「災」で、3位は「震」と、絆と同じく今年日本を襲った未曾有の大災害が主な理由だ▼これらは日本漢字能力検定協会が公募したもので、過去最多の49万6997票の応募があった。4位以下を見てみると「波」「助」「復」「協」「支」「命」「力」の順となり、東日本大震災を連想させる漢字が続く▼抄子の1位は「災」だった。地震に津波、そして原発事故による放射能もれと。地震に津波は天災だが、放射能もれはその後の事故調査を聞く限り、人災を疑いたくなる。放射能被害に苦む浜通りの人間としては、絆よりも天災、人災の災が上にきてしまうのは抄子だけか。災いを転じて福となす。来年はそんな年になることを願いたい。