駐車場に車を止める際は、発車するときのことを考えてバックで入れるケースが多いと思う▼しかし、その駐車場に花壇がある場合は、排気ガスが花にかからないよう前進で止めるのがささやかな心遣いとされている。そのことを教えてくれたのは、好間高校の来客用駐車スペースにあった立て看板だった。今から10年以上も前のことだ▼そうすることで実際、花がどれだけ助かっているかわからない。「たかがそんなことで」と一笑に付されるのがオチだろう。大事なのは、せわしない日常で細やかな心遣いをもつ余裕があるかどうかだ▼いわきの植物の楽園、市フラワーセンターでのイベント会場となるフラワーライフ館駐車場は、まさに花壇と隣り合わせ。植物の展示会を開いている人、それを見に来た人たちが止めた車の9割がバック駐車だった。花を愛でる大人たちのささやかな矛盾。ちょうど小学生たちが展示会の見学に来ていたので、感想を聞いてみたかった。