小学生の頃、町内で結成されたチームでソフトボールに夢中になっていた。磐城高校が甲子園で準優勝した頃でもあり、将来の高校球児を夢見ていた頃でもあった▼結論から先に言うと、中学入学と同時にその夢は破れることになる。野球が嫌になったわけではない。運動部特有の厳しい練習に耐えられないと思ったからだ。非科学的な練習の繰り返し、理不尽なしごきもあっただろう。「強い精神」育成のためだが、今となっては時代遅れの象徴となっている▼さて、今の関心事の一つ、日大のアメフト部の問題。詳細が明らかになってきた。洗脳を超えた、指導陣の異常な行動は、選手の顔つきも変わってしまうほど悪質なものだった▼確かに強い精神力は、技術以前のことかもしれない。ただ、マインドコントロールとも言える指導で悪質な反則を犯してしまう。パワハラそのものだ。選手には将来がある。新しい指導体制で立て直し、正々堂々、日本一を目指してほしい。
片隅抄