昨年の暮れ、行きつけのバーで酒を飲んでいたときのこと、バイトの従業員が出勤し、彼から合コンに参加してきたと言う話を聞いた▼当然ながらマスターをはじめ、数人の客から質問攻めにあうことになった。どんな人たちだったのか、その後の展開はどうなのかと話が盛り上がった。「電話番号くらいは聞いてきたんだろう」、そう聞こうと思っていた矢先、「ライン交換はしてきました」とのこと。昭和との違いを実感することになった▼抄者の時代はバブルでも連絡は家の電話だった。彼女本人が出ると言う保証はなく、ドキドキしながら電話をしていたのを思い出す。それが今は携帯で直接本人と話せる時代になり、しかもそれを通り越し、メールのやり取りになっている。話すことも面倒なのだろうか▼若い人のコニュニケーション不足が叫ばれている。こんなところにもその要因はあるのかもしれない。結婚の許しをもらうのも、メールになってしまう時代が来るのだろうか。
片隅抄