「これまでの自分は、人のせいにしていた。夢は海外でのプレーと代表入り」。2019年11月、いわきFCが日本フットボールリーグ(JFL)昇格を決めた「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ」の決勝ラウンドで、19歳だったバスケス・バイロンは、試合後の取材でそう語った▼青森山田高を経て、2019年に東北1部だったいわきFCに加入した。最初の頃は粗削りなプレーが目立ったが、選手として、人間として成長させたのは、現在はコーチを務める渡辺匠氏という。バスケス・バイロンも「匠さんのおかげで、いまの自分がある」と話していた▼2022年に東京ヴェルディに移籍し、28日にはJ2の舞台で、古巣のいわきFCと戦う。スポーツ紙のインタビューでは「いわきFCは本当にお世話になったチーム。原点です」と明かしていた▼選手が羽ばたいていくのも、サッカーのだいご味。〝恩返し〟されないように、いわきFCの勝利を期待する。
片隅抄