映像を見返し、やはり鳥肌が立った。2016年3月14日のプレミアリーグ第30節。元日本代表のFW岡崎慎司がニューカッスル戦で決めた、バイシクル弾▼殊勲の決勝点となり、所属していたレスター・シティは勢いを駆り初制覇へと突き進む。弱小クラブが起こした奇跡は「史上最高の下克上」と呼ばれ、今も語り草だ▼見る側の予想を超えるプレーには毎回驚かされた。ゴン中山こと、中山雅史もそうだった。何かやってくれる。期待に似た高揚感が、試合をより楽しませてくれた。個人的には、いわきFCをJ2に押し上げた昨季優勝メンバーのひとり鈴木翔大にその〝におい〟を感じていた▼今季は主力の流出にけが、コロナと厳しい台所事情から苦戦が続いた。大なたを振るい後半戦でようやく〝らしさ〟を取り戻したが、この終盤で3連敗。局面を打開する岡崎のような個が現れることを期待したいが……。まずは一戦必勝。最後まで全力で走り抜けてほしい。