桜が開花したと思ったら、途中の雨のせいか瞬く間に散ってしまった。昔は同僚らと平・松ケ岡公園に繰り出し、花見宴会をしたものだ▼通年、酒は飲む。先日新潟県のある日本酒を購入。かつて地酒ブームの火付け役とされ、入手困難なことから高価な値が付いたが、現在は容易に購入できる。冷やして飲むと、のど越しは水のようだった▼英文学者で酒食に数々のエッセイを遺した吉田健一さんの「酒は上等になるのに従つて味その他が真水に近くなり…」の言葉を思い出した。すぐさま酒肴には地元海産物店の粒ウニを求め、じっくりと味わった▼同店をひいきにした著名人に脚本家で直木賞作家の向田邦子さんがいた。ひまわり信金本店営業部で開かれている「草野心平の『書』と山田久代展」で向田さんが山田さんに宛てたエアメールが展示されている。複写だが解読困難な字体が目を引いた。ファンなら、文中にある中野のライオンなどに感じるだろう。
