落語にこんな小噺がある。病院の待合室で顔なじみのお年寄りたちが話に花を咲かせている。と、そのうちの１人が「そういえば最近、○○さんの姿が見えないね」「そうだね、元気にしてるのかしら」▼こんな笑い話に終わればいいのだが、先日行った健康診断で、生まれて初めて不整脈と心房細動という診断が下され、専門医での二次検査でも心臓がやや肥大していることがわかった。それまでの健診では軽い潰瘍やピロリ菌、ポリープなど胃に関する注意を受けてばかりいただけに、心疾患は軽くショックを受けた▼慢性的に血圧が高いと言われていたから、それなりの兆候はあったのだろう。若いうちは頑健な体力で押さえつけていた病巣が、６０も半ばを超えた年配になって本性を現したということか▼死亡広告で９５歳前後のご長寿が多い中、５０代や４０代の方を時おり目にする。何らかの病気が原因だったのか。決して他人事ではない。自らに節制を言い聞かせねば。
