サウナ内で発生させた湯気や蒸気をバスタオルなどであおぎ、利用客の体感温度を上げるサウナ職人「熱波師」の全国大会で、所属する小浜町の「北投(ぺいとう)の湯いわき健康センター」チームが日本一に輝いた。チームの中心として活躍したのが、市内で先駆けとなる熱波師歴8年の、ノリ(熱波師名)こと吉田典史さん(46)=小名浜。目に見えない熱波を自在に操る風起こしの達人だ。
3人で出場したいわきチームは10月に横浜市で行われた熱波甲子園秋大会に初出場し、東北のチームで初の総合優勝を果たした。主催した日本サウナ熱波アウフグース協会加盟の15チームが出場し、3競技の合計得点で技とパフォーマンスを争った。
チームで唯一、同協会認定の熱波師検定資格を持つ吉田さんは、タオルをあおいで水が入ったペットボトルを倒す「テーブルペットボトル落とし」で参加15人の中で唯一、4本を倒し1位を獲得。タオルをあおぐ風の速さを競う「サウナ風速計」でも好成績を収めた。
常に心がけているのは「熱いけれど心地よい、森の中を駆け抜けている風」。リラックスできる「極上の空間」を提供しようと願っている。全国大会優勝後、週末を中心に若い客らで満室になることもあり「うれしくやりがいがある」と吉田さん。優勝記念の感謝祭として抽選会やクリスマス、年末年始のイベントも充実している。
19日には、春と秋の全国大会それぞれ上位3チーム、計6チームがトーナメント戦で争うチャンピオンカーニバルに出場し、同僚の女性熱波師らと年間チャンピオンを目指す。
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